こんにちは。インコ、飼ってますか?
うちは飼ってます。ヘルニア持ちのポーちゃんです。
さて、このページを見ているということは、お飼いのインコがヘルニアか、もしくはヘルニアの疑いがあると想像します。ツライところです。
ヘルニアはそれ自体が直接命に関わるものではありませんが腸閉塞になったり、羽毛に覆われていない患部はケガをしやすく、間接的には命に関わることもあります。何より見た目がアレなので、最初のショックは大きいでしょう(だんだん慣れてきます)。
本シリーズは「ヘルニアでインコの病院をハシゴした記録」と「ヘルニア温存対策」について記載します。
ヘルニアに罹患して1年以上、その間にいくつかの病院で診てもらいました。他のどんなことでもそうですが、同じ専門家でも見解はそれぞれ違うものですね。
まず、今回はヘルニアになるとどんな状態になるのか、治療はどうするのか、ポーちゃんの例で見ていきたいと思います。
実際に見てみないことにはどんな病気かわからないですよね。なので、ヘルニア写真も掲載します。
出来うる限り(?)グロ過ぎないモノを選ぶつもりですし、出す前に「この後、出します!」と書きますが、スクロールの関係で見えてしまったらごめんなさい。
ヘルニアインコでも元気で暮らせるよう、私の知っている情報は全て書きます。飼い主さんは修行だと思って読み進めて頂ければ、と。写真は薄目で飛ばしてもよいので。
Contents
羽毛の下からチラッと見えるデキモノはヘルニア?
ヘルニアとは「何かが飛び出すこと」の意味らしいです。
何かが飛び出すってすごいネーミングですが、人間のヘルニアと小鳥のヘルニアはちょっと印象が違います。インコのヘルニアはメスに多く、主に慢性発情などでお腹の筋肉が緩み、皮膚が伸び、卵管や腸が皮下まで飛び出すイメージ。
軽いうちは「ちょっとお腹が膨らんでるな」くらいですが、やがて、羽毛に覆われていないむき出しの皮膚が露出してきます。そこだけ猿のお尻っぽいというのか、少々ぎょっとする見た目になります。
「何かデキモノがある……」
気づいたのはインコのポーちゃんが3才11か月の頃だったでしょうか(この段落の最後に出します、写真)
鳥かごを移動中、お尻のあたりにポチッとしたデキモノを発見したのです。
実を言えば、その1、2か月ほど前にも移動するポーを見て「ん?今のはナンだ?」と感じたことがありました。振り返るにまだ患部が小さくて羽毛で隠れる程度だったのでしょう。
当時はインコの病気に慣れておらず、「暴れインコゆえ保定ができなかったこと」もあり、正直見て見ぬフリをしてしまったのでした。
この時に病院に行っておけば・・・と今でも思います。読者の皆さんは「ん?」と思ったら「気のせい」と思わずに、病院に行った方がいいですよ。本タイトルは「鳥医者を100%信じるな」ですが意味するところは70%くらいは信じた方がよいということです。
なお、デキモノができる前、要は「お腹が膨らんでいる」くらいのレベルで気が付いた場合、エサを変えることで治ることもあるようです。
いよいよ写真、出しますよ。今思えば、まだこの時は小さいです。
行っただけでヘルニアが小さくなった?――A病院
これはマズイと池袋にある病院に行きました。この時の診療は触診だけ。
戻る?いったい何が?
ともあれ、先生の言い方からするとそう深刻な印象は受けませんでした。飼い主として思ったのは意外と「メジャーな病気っぽいな」という感じ。この時、言われて心配だったのは「ヘルニアの中身が腸の場合、フンが出なくなりにくい」ということ。
この辺り、うろ覚えではありませんが、ヘルニアには「卵管が出っ張るもの」と「腸が出っ張ってくる」ものがあると言われたような。後者だとフンづまりを起こしやすいとも。当時の私のイメージでは「フンづまり=死」でしたので怖じ気づきましたよ。その2で記載するように、管理すれば意外となんとかなるものですがね。
この病院では詳しく調べたいなら、埼玉にある系列病院へ、と勧められました。私が行った病院(とは知りませんでしたが)では、特に治療も投薬もせず、この日はそのまま帰宅しました。
けれど、帰宅後、ポーちゃんのヘルニアは小さくなっていました。病院に行っただけなのに? 不思議に思いましたが、その理由は後述します。
インコのヘルニア、手術は難しくないけど麻酔が・・・
ヘルニアの手術について調べてみると、そう難しいものではなさそうでした。
① 出っ張ってる腸や卵管(取る場合もある)を所定位置に戻す
②袋を閉じる
素人の解釈ですが、多分だいたいこんな感じ。病院によるでしょうが処置して入院せずに連れて帰れる場合もあるようです(それはそれで怖い気もしますが)。
一方で問題なのが麻酔です。身体が小さいだけに、小鳥の場合、手術そのものより麻酔のリスクの方が大きいのです。どこかの病院のサイトで読んだのですが、ヘルニアの手術は20羽のうち失敗例は1~2羽ほど。失敗というのは麻酔からそのまま目が覚めないことを指します。この数値をどう取るか。
手術代ですが、それなりにします。私がネットで見たところでは最低でも10万以上~。病院によってさまざまでしょうが16万くらい掛った例もありました。
手術の決心はつきませんでしたが、ポーちゃんのヘルニアはその後どんどん大きくなっていきます。
写真出しますよ。もう見えてますか?すみませんね。
最初の病院から3週間後。この頃のヘルニアはこんな感じ。まん丸として卵でも入っているみたいでした。
卵管のヘルニアは発情を抑えれば小さくなるーーB病院
で、結局、どうしたのか?
前に行った病院の本院に行くのが筋かもしれませんが、この頃さんざネット情報を漁りまくっていた私はA病院の評判の悪さを知ってしまいました。いわく「すぐ入院させたがる」「すぐ注射したがる」「料金が高い」等々。
自身の経験でいえば押し付けがましさは全く感じなかったですし、診療費も1000円ポッキリでむしろ安いと感じましたが「東京住まいなのにわざわざ埼玉に行くのも」と思い、口コミの良かったB病院を予約しました。
そこでレントゲンを撮ってもらうと「レントゲンだけでははっきりしないものの、おそらく腸は入り込んでいない」「ヘルニアの中身は卵管だろう」とのこと(後日、腸も入っていたことが発覚するのですがこれは次回で)。卵材(卵のカラ)のようなものも見える、と先生は言いました。
卵管というのは発情すると大きくなるのだそうです。(もう少し後にヘルニア写真)
要は発情が止まれば卵管も縮小し、ヘルニアも小さくなるであろうと(※腸の場合は発情で小さくなるわけもなく、大きさは変わりません)。実はその病院で診察してもらった直後、ポーのヘルニアは小さくなっていました。袋があきらかにしぼんだ感じ。
最初のA病院でもそうでしたね。出します、写真。
知らない病院に連れて行かれる、知らない先生に触られる、レントゲン取られたりなんだり……。
ストレスやら恐怖心やらで瞬時にして発情が収まったようでした。
残念ながら、家に帰ってしばらく経つと、また大きくなるのですが。
この時、先生はこうも言いました。
これについても調べてみると、反応はまちまちでした。
「発情抑制の薬は副作用もある。実は手術のリスクとそう変わらない」と書く人がいる一方、「発情抑制の注射打ってもらったら発情止まった。こんなことなら早くやってもらえばよかった!」という声も見かけましたし、「発情抑制の治療は薬より注射の方が効きがいい(飲み薬と注射とがあるらしい)」という声もあったり。
うちでは使わなかった以上、その真偽はわかりませんが、なかなか発情が止まらない場合、病院の先生に相談してみるのも手かとは思います。
ちなみに、ここまで読んで、「メスで発情ならまず卵産むんじゃないの?」という声も聞こえてきそうですが、ポーは今まで卵を産んだことはありません。先生いわく「産めない身体なんだと思う」とのことでした。
ヘルニアで謎のテーピング対策【インコとヘルニアその2】につづく。