インコの病気と長生き術

【インコのヘルニア】手術しないで治す方法はないのか?

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こんにちは。インコ、飼ってますか?
ヘルニア持ちのポーの「ヘルニア病院めぐり」第二弾です。温存を選んだ場合を記載します。

4才11か月の頃、ヘルニアと診断されたポーは手術を受けずに温存を選び、6才になった今もヘルニアのまま毎日元気に暮らしています。

ヘルニアの見た目は時とともに変化しました。

「ポチっとしたおでき程度」→「やや大きくなる」→「しぼむ」→「卵が入ってるみたいにまん丸な形」→「少ししぼむ」→「梅干しみたいな様相」→「しぼんでヘルニアのなれ果てが(かさぶたみたいに)取れる」→「と思ったら再発!またしてもお尻がパンパンに!」等々の推移を辿り、現在もそのさ中にいます。

今回は、卵管のヘルニア(という言い方は厳密には正しくありせんが)のあと、腸のヘルニア(同)が発見され、フンづまりになりかかった話と「テーピングでヘルニアが治る(かも)」と言われた話をお送りします。

ヘルニア初めは以下↓

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病を経てヘルニアが縮小?

当初のお医者さんの見立てでは、ポーのヘルニアは「おそらく内部に腸は入り込んでいない」「発情による卵管膨大が原因ではないか」とのことでした。

卵管は発情が止まれば縮小します。手術ではなく温存を選ぶ以上、発情が一番の対策とのこと。

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が、この発情対策の過程で免疫力を落としてしまい、ポーをしにそうな目に遭わせてしまいます。過発情は病気を誘発しやすいですが、発情対策(特に温度対策)は慎重にやらないとこれまた病気を誘発します。猛省しました。

ともあれど。九死に一生を得たポーちゃんは幸か不幸か発情どころではなくなり、卵管は縮小。同時にヘルニアも小さくなり、しばらくすると伸びきった皮膚(と言って通じるのか。見たことのない方にはわかりづらいですね)がカサブタのようにポロっと落ちてきました。

結果オーライでヘルニア完治か?
しかし、残念ながら、そうは問屋が卸さないのです。

テーピングでフンづまりとヘルニア対策ーB病院

ポーのヘルニアは思う以上に複雑でした。
卵のようにまん丸だったヘルニアは小さくなってきたものの、今度はフンが出にくくなりました。お医者さんが患部を圧迫すると多量のフンが出てきます。

どうやら、ポーのヘルニアには腸も入り込んでいたよう。卵管が大きかった時は便通に影響はありませんでした。イメージとしては卵管が腫れていたため、その圧迫力でフンが普通に押し出されていたのか?

しかし、発情が止まり、卵管が小さくなったことでフンを押し出すトリガーがなくなったような感じでした(あくまで素人のイメージです。お医者さんの説明はもっと違った気もします)。

小鳥の病院B
小鳥の病院B
患部(腸の部分)をテープで上部に引っ張って抑えてください。フンが自然に出るように。

テーピングの写真出しますよ。周りがフンで汚れていますが、こんな感じ。

要するにフンがヘルニアにたまるわけです。ヘルニアの袋にたまらないようにするため、テープで持ち上げるみたいな。横から見るとこんな感じですね。

 

絵心のなさについてはツッコミを入れないよう。また、先生はこのようなことも言い出しました。

小鳥の病院B
小鳥の病院B
身体(内臓)には所定位置に戻ろうとする働きがあります。
小鳥の病院B
小鳥の病院B
1か月くらい抑えていれば腸も所定位置に戻るかもしれない。

すべてのヘルニアンインコに朗報です。その意味するところは手術しなくても治るかもしれないってことですか?
実際の先生の処置を順にするとこんな感じ。

① ヘルニアにフンがたまっているようなら指で押してフンを出す(※詳しくはその3で解説)
② ヘルニアの中身(腸や卵管)を指で押さえ腹腔に押し込む。元の位置に戻す。
③ 小さく切ったガーゼと細目に切った医療テープを患部に貼る。
④ テープを上に引っ張るように尾根の先で留める。

元の位置に戻すとか、ヘルニアインコ未経験者はもちろん、経験者であっても実際に患部を触ったことがないとイメージしにくいところでしょう。

今、インコがヘルニアなら触診しましょう。袋の中(腸とか卵管)を優しく押すと奥の方に戻る感触があります。この辺り、初回はおっかないでしょうから、鳥のお医者さんと実際にやってみた方がいいと思います。

また、③のテープですが、バンドエイドを下記のように切ってもいいと言われました。

注意点はヘルニア部にバンドエイドのベタベタがつかないようにすること。テープも同じ。

羽根にもつかないようにすること(しかし、これはどうやって???)

※実はこのやり方は難易度が高すぎると1か月後に判明。もっとやりやすいテーピングの改良版はその3で解説します。

飼い主が不器用すぎて手術を薦められる

実のところ。

先生指導のテーピングはなかなか上手くいきませんでした。体調の回復したポーはテープを気にして取ってしまう。

で、家で張り替えることになるわけですが、ベタベタ羽根についたり、どうしてもうまくいかない。「羽根に着けないように。これは可哀想よ!」と先生に怒られました。しかし、元がバンドエイドです。羽根につけることなく止めることなんて不可能ってものです。

「インコがテープを外さないように」と、フライトスーツやエリザベスカラーを薦められたのもこの頃。

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一方でインコがフライトスーツやエリカラを嫌がる様ときたら!
あるブログで「エリカラをしたショックで死んじゃう子もいるみたいです(真偽かなり不明)」の書き込みを見、怖くなってやめてしまいました。

 

保持は結局一週間ほど。1か月なんてこの時はどうしても、どうしても、出来る気がしなかったのでした。当然、ヘルニアの形状も変化なし。

ただ、幸いなことに、フンづまりに関しては収まりました。腸の位置がいい案配でズレてくれたのでしょうか?

しかし、病院の先生は思案顔でした。

小鳥の病院B
小鳥の病院B
中身が卵管なら発情対策で小さくなるけど、腸の場合はムリ。
小鳥の病院B
小鳥の病院B
(テーピングできないなら)手術した方がいいと思う。うちではできないけど、紹介するから。

この時点で最初にヘルニアを見つけた時から3か月ほど。せっかくのアドバイスを実施しない(できない)飼い主にイライラしたのでしょう。先生の対応はどんどん冷たくなっていきました。私は使えない新入社員のごとく毎回怒られてばかりで、ついには転院の勧めです。

紹介してもらった病院は手術例が関東一多いと思われる、横浜の有名な病院でしたが、正直、見捨てられた気になりました。

ともあれ、帰宅してから再度ヘルニアの手術について調べました。いろいろ調べるうちに「やはり手術はやめよう」と思いました。症例数からいえば、たまたま、ということになるのでしょうが「ヘルニアの手術で落丁(悲しい気分になるので敢えて誤字で)してしまった飼い主さん」の書き込みを読んでしまったからです。

このように、「100%医者を信じるな!」と言っている自分は、簡単に他人のブログに影響されるのですね。

鳥にも自然治癒力があるーーC病院

さて。
温存療法で診てくれそうな別の鳥医者を探すため、C病院を訪れました。昔ながらの診療所で設備などは古いです。けれど、暖かい感じのする年配の女医さんで「この人なら怒られることはあるまい」とほっとしました。

この先生にこれまでの治療法を話すと、あまり賛同できないようでした。

小鳥の病院C
小鳥の病院C
テーピングでヘルニアが治るというのは……。ないんじゃないかと思います。

B病院の先生は「ヘルニアの部分は毎日指で押し戻してね。所定位置に戻すイメージで。そうしないと今のポジションで固まっちゃうから」と言っていましたが、新しい先生は「ヘルニアの押し戻し」も賛成しかねるようでした。

小鳥の病院C
小鳥の病院C
患部を触るのはあまりよくないです。

C病院は動物本来の「自然治癒力に出来るだけ任せるべき」というモットーのような気がしました。それはそれで好感が持てました。

実をいうと、「ヘルニアを触らない方がいい=触らなくてよい」と言われたことにホッとしていたのです。

こんなこと書くのはアレですが、私は本来、解剖図とか内臓とか血液とかちょっとでもグロさを感じるものが非常に苦手なのです。

毎日ポーちゃんを裏返し、お尻の部分の赤茶っぽいブヨブヨを見るのは実は怖かったのです(今でも割と苦手です)。

押すにしても力の入れ加減がよくわからず、押した途端、バクハツしそうでなんだか怖かったのです(こちらは今では慣れました)。

C病院の診療費は肝臓の薬など込みで2000円行ったかどうか。B病院が毎回5000円は掛かっていた(その分、毎回1時間近く診てくれましたが)ことを思うと、費用面での通いやすさにまた安心。今後のかかりつけはC病院にしようと思いました。

が、「ヘルニアの押し戻し」をやめて1週間。再びフンづまりになってしまいました。

その3へと続く

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インコの病院ハシゴ
東京在住のセキセイインコの飼い主です。先代はヘルニアインコ。2代目はPBFD疑いも陰転済み。「小鳥の専門医に聞いた話」+「実際にやってみた素人の試行錯誤」をまとめたノウハウブログ。肥満や発情対策などお医者さんの真逆のアドバイスを勝手に対決させたりもしています。100%と言わず50%程度の気持ちで参考にして頂ければ。