こんにちは。インコ、飼ってますか?
私は飼っています。本や新聞が大好きなセキセイインコです。
活字を見るとエサだと思って食べようとします。料理の写真も同様です。
あるいは本の端っこをカミカミします。これは発情の症状っぽくもあり、少々注意が必要なのですが、本棚に立てかけてあった「インコの本」は特にお気に入りだったようで。
気が付いたら、このありさまです。
以降は本の置き場所に注意するようになりました。
ちなみに、私が行った鳥病院では、次のように言った先生もいました。
鳥医者の言うことがすべてだとは思わないように、本に書かれていることがすべてだとは思いません。インコには個体差があり、それぞれの著者にはそれぞれの意見があり。
が、その前提で何冊か読むと疑問に思っていたことがつながることも。飼い主は常時学びと思ったものです。
というわけで、今回はインコ本についてご紹介したいと思います(随時更新予定)。
Contents
インコの入門書、1冊目にオススメ
まずは、ポーが噛みまくるほど気に入っていた一冊から。
『インコ 長く、楽しく飼うための本』
amazonのレビューはイマイチながら、がっつりこってり中身はしっかり充実しています。監修は愛鳥の里親活動などでも知られるTSUBASAの松本荘志さん。
ただし、「小鳥のクリッピング(羽根を短くする)を推奨していない監修者なのに、なぜに表紙の鳥はクリッピングを?」というレビューはごもっとも。
これは編集者のミスですね。多分、松本さんは制作サイドに気を遣う、いい人なんだろうと思います。内部事情はまったく存じ上げませんが、そんなことを勝手に想像してしまいました。
体裁としては「読み物風のレポート」+「インコの飼い方入門」。インコハウスやインコカフェの取材ページがある一方、インコをお迎えするときの注意点やしつけや病気等々。
最近のインコ本に共通することですが、とにかく写真が多い。
インコごとのケージのサイズの目安やエサの種類の紹介(シードやペレットそれぞれの種類、殻付き、殻なし等すべてに細かい写真つき)があったり。インコの歴史など学術っぽいページもあり。1ページ基本1羽のオールカラーインコ図鑑は見ているだけでワクワクしますよ。
『インコの気持ちと飼い方がわかる本』
こちらは腕がいいと評判の小鳥の病院「恵比寿バードクリニック」の濱本先生監修の本です。パラパラめくった時点でこの本は気に入りました。
詳しく、文字も大きく(ブログ管理人のような老眼始まりそうな世代には非常にありがたいのです)、もちろん、写真もたっぷり。
イメージとしては昨今の児童書コーナーにあるような凝った図鑑っぽいデザイン。要は、子どもから大人まで使いやすい本かと。
インコに必要なお世話(インコの一日も表に!)はひと通り載っているほか、さし餌の与え方や爪切りの方法、フォージング(遊びながらエサを探す。発情や呼び鳴きなど問題行動対策としても推奨される)の方法などにも詳しいです。
小鳥の病院の先生だけに病気一覧も入門書としてはかなり詳しい方。患部など若干怖い写真もありますが。
『セキセイインコ 育て方、食べ物、接し方、病気のことがすぐわかる!』
インコはインコでもセキセイインコに特化。
最近のインコ本は写真が充実しているものが多いですが、特にこちらはカワインコNO.1という感じ。表紙の天使っぷりは衝動買い必須。
中の写真も「バス型ボックスに仲良く乗るインコの図」やら「仲良しでカキカキするインコの図」。まぁ!とにかく可愛らしい。
もちろん、本書は写真集にあらず(むしろ上の2冊より写真は少ないかも)、育て方から病気までの入門書です。
「セキセイインコを迎える前の準備」や「ヒナのお世話」についても章を割いているのでこれからセキセイインコを飼う予定の方にもおすすめ。
全112ページほどと類書に比べ薄いものの、本文は文字中心のシンプルな体裁なので情報量はまずまず。どこに何が書いてあるかも探しやすいです。
しぐさや行動から感情を読み取るページは「これ知りたいよね」という内容をコンパクトでまとまっており、使いやすかったです。
放鳥中の事故や中毒症状など飼い主への注意事項もきっちり載っています。
インコの健康なら細川博昭氏の本!
さて、病気一覧ときたところで持って起きたい健康関連のインコ本。鳥のライターである細川博昭氏の著作がこの辺り、大変詳しいです。
『インコの食事と健康がわかる本』
インコの健康、特に食に関する問題に特化した本です。ジャンルとしては読み物系ですが、これだけのボリュームのものはほかになし。
鳥飼いの家には一冊あると重宝します。
インコに必要な栄養、危険な食べ物の話(アボカドとかね)から体重測定、フンの管理の大切さ等々は類書にもありそうですが、何しろ著者の文章が読みやすい。
特に「インコが食べない」「インコが食べすぎる(体重を落とす)」あたりの項目は病院に行ってもここまで詳しくは聞けないだろう読みごたえです。
特に、「食べているのに痩せるケース」「喉の痛みで食べられなくなるインコ」「食べないヒナを食べさせる方策」「鳥は運動ではやせない」「長時間睡眠でダイエット」などの項目に思い当たる節がある方は読んでおくとよいです。
初心者から上級者までおすすめ。
『うちの鳥の老いじたく』
タイトル通りで、老鳥の飼い主さん向けの本です。上記と同じ著者なので被るところはありますが、作者の小鳥への視線が優しく、人生後半戦に掛かっているだろうインコの飼い主として心に染みることこの上なく。
「鳥は悩みません」「病気やケガで体に不具合が出ても悩んだりすることはなく、その体に適応しようとします」のくだりには何故か泣けてくるものがありました。
コラム仕立ての実用書で、ところどころにあるイラストもほのぼのとしていて和みます。
「鳥の老化は羽毛の下の皮膚でわかる」「同じ親から生まれたヒナ鳥でも最初に生んだ卵か最後に生んだ卵かで(発育状態や寿命も)変わる」など、他では読めないような情報もあり、こちらも勉強になった一冊。
『長生きする鳥の育て方』
こちらはヒナから老鳥までが対象で長生きさせるためのリスクヘッジてんこ盛りの印象です。
それが今回言いたいテーマだと思います。鳥の寿命を縮める要因、それを回避する方法を一冊あげて語っている。他の著作と被る部分もありますが、鳥好きを自認する細川さんの「大事なことだから何度でも言う」スタンスは好感が持てます。
ちなみに、「定期的な健康診断を受けた方がいい」と言いつつ「うちはあまりやっていない」と本音を語る細川氏。ただ、ちょっとでも異変を感じると病院に連れて行き、その際に糞便検査やそのう検査、レントゲンなど必要なことはやってもらっているとか。均すと「半年の一度の健康診断より多いくらい」だそうです。
インコともっと楽しく暮らすためのインコ本
続いて、紹介するのは入門書のその先というポジション。
『インコ語レッスン帖』
インコの鳴き方やボディランゲージから「何を考えているの?」「何が言いたいの?」を読み取る本。
「尾羽根をパタパタ振るのは何のサイン?」とか「瞳孔が開いたり、縮んだりするのは何のサイン?」などなど基本1ページに一問一答の形式で100問。
イラスト付きだから、空き時間にちょっとずつで読みやすい構成です。
うちは当時小学生だった子どもと一緒に楽しむために購入しました。4コママンガやチャート診断も。情報量は少なめなので、最初に買う本というよりも、インコともっと楽しむための2冊目に。内容は初級者〜中級向け。
『インコがおしえるインコの本音』
こちらも1ページにつき一問一答のスタイル。上記の本と「かなり似てるな」と思ったら、監修者が同じ先生でした。もちろん、企画したのは編集の方だと思いますが。
上記と違う点は、扱っているのがボディランゲージだけではないこと。情報量はこちらの方が多く、インコの視力や味覚のこと、脂粉など身体にまつわること、ちょっとしたインコトリビアなども扱っています。
もう一つ、違うことが本文が「インコに語り掛ける形式になっている点」。なんじゃそりゃ?と思うでしょうが、冒頭に「どうやったら自分の気持ちを飼い主さんに伝えられるか?」悩めるインコのマンガがあります。本文はその受けになっている感じ。
「怒りマックスの際はギャー泣き!」といったテーマでの本文では「今のあなたの怒りレベルはどれくらいでしょうか?」と始まります。
ここでいう「あなた」とはインコのことです。また、別のテーマでは「わたしたちは、好奇心が旺盛な生き物ですから~」と始まります。ここでいう「わたしたち」とはインコのことです。
この少々凝った形式を面白いと思うか、読みづらいと思うかで評価は変わってくるかと思います。マンガは可愛いですよ。
『おうち拝見 小鳥のいる暮らし』
「飼い方入門的なことはだいたい知っている」「もう一歩進んだ情報が欲しい」という鳥飼い上級者向け。
インコの飼い主さん宅を訪問し、愛用のかごやおもちゃやえさのこだわり、健康管理まで細かくレポートしています。写真やイラストも可愛い。
かごのレイアウトも参考になります。「放鳥は1日何回」とか「インコ費は月どれくらいか」などの飼い主アンケート結果もあり。
ただ唐突に「呼吸器が不安定なので毎晩ネプライジングしています」といった文章が出てくるので初心者には不親切かも。情報としては充実しているので愛用グッズのメーカー名などがあればもっと良かったかなと。
『遊んでしつけるインコの本』
こちらも内容的にはプロ(?)飼い主向け。しつけといっても、方向性は「インコと遊ぶ、楽しくコミュニケーションを取る」こと。
「足?握手」の方法だとか「トンネルくぐり」とかタオルで「いないいないばぁ」遊びをするとか。芸を仕込むといえば誤解を招くかもしれませんが、健康管理を兼ねた遊びも多いです。
なお、同書の対象は「ケージから手に乗せることができるインコ」で、まだ手乗りいえない、ケージから出てこない場合は同シリーズの『インコのしつけ教室』から始めるとよいそうです。
以下、随時更新していきます。