1羽飼いの、うちのインコが無精卵を産みました。
うずらの卵より二回りくらい小さな可愛い卵です。
飼い主にベタ慣れだったせいで、自然界的に繁殖期となる春ではなく1月初旬にぽっこり産みました。
この先、いったいどうしたことやら!!
このページにたどり着いた皆さんは途方に暮れている方ばかりでしょう。
アワアワしながらなんとか乗り越えた初の産卵(二度と産ませたくはないですが)と、卵詰まりを恐れ病院に行ったこと、先生に聞いたこと、ここに記しておきます。
Contents
- 1 産卵の法則1:長引かせないために偽卵を買おう
- 2 産卵直後も活発に動き回るインコは少なくない?
- 3 産卵の法則2:平均して4~7個産む?半月は産卵期間が続くってか。
- 4 産卵の法則3:危険。産卵が続くとやわやわの卵になることも!
- 5 産卵の法則4:産卵中はフンが出てるか、こまめにチェックを!
- 6 産卵の法則5:カルシウムで卵づまりを予防する
- 7 産卵の法則6:ペレットで産中の栄養補給したいならハイポテンシーを!
- 8 産卵の法則7:卵づまり対策は何より保温!産卵産後はまず保温!
- 9 産卵の法則8:緊急病院リスト作成で飼い主の心の安心
- 10 体験談:卵づまりを疑って、病院に行ってみた
- 11 卵だと思ったものは恥骨だった(恥)!
- 12 まとめ:産卵中にあると便利なものベスト5
産卵の法則1:長引かせないために偽卵を買おう
まず、最初に大事なこと。
カゴに卵を発見し、おののいてもびっくりして捨てないでください。
偽卵がないなら、まずはそのままに。
「あれれ、卵がない!もう一個産まなくちゃ!」とえんえんループになりかねないらしいので。
でも、いつまでケージに置いておくのかって話もある。インコの卵ってだいたい20日くらいで孵化するといわれている。無精卵なら孵化はしませんが、切ないことに一所懸命暖める子もいるのだとか。
それだけの長期となると無精卵、衛生的にどうなんだって話以前に、割ってしまったり、食べちゃう子もいる。
なので、早めに偽卵を買いましょう。
コバヤシ 小鳥ギラン K-37
私は産んでから慌てて買いました。その前からAmazonリストには入れておいたのに。
購入時は在庫切れで到着まで6日くらいかかった。
幸いですけどね。
うちは初産でたまたま一個しか産まなかったわけです。
ちなみに、ポケは抱卵はしませんでした。
サッカーのボールのごとく、怒りながら蹴っ飛ばしてた。ピンク色でかわいらしい卵です。蹴っ飛ばされないよう、ケージ網の下に入れてしまいましたが、本当はそれでも放っておいた方がいいんですよね……。
産卵直後も活発に動き回るインコは少なくない?
少し前、鳥飼いの友人から「雌1羽でも卵産んだ!」「6個くらい立て続けに産んだ!」みたいな話を聞きました。
正直、思ったものです。「あんな小さな身体で卵産めるのか」「身体ボロボロになっちゃうんじゃないのか……」とか。
うちのポケもあっさり産んで、産んだ直後に飛び跳ねてました。
産卵なんて特殊なことに思っていましたが、元気なら病院に行くまでもないです。念のため、うちはかかりつけ医に電話した。
だって。
なお、一個目産卵時は母性ゼロ。
抱卵なんかしなかったし、どころか、威嚇して追いかけまわしてたので、卵ちゃんが可哀そうでした。
(※ちなみに、3~4個目から突如抱卵しだす個体も少なくないようです。)
人間の出産なんかよりよほど元気でしたが、こと自分のインコとなると過保護にもなる。
何個も産むんなら今回は安産でも、いつか卵詰まり(後述)とか起こしやしないかと心配にもなるし。
産卵の法則2:平均して4~7個産む?半月は産卵期間が続くってか。
数もすごいけど1日おきってのが想像つかない。
一個産んだら、そのすぐ後に新たな卵が形成されるってこと!?
どうやって? いや、どこから? 卵の栄養ってどこから来るのよ? やばいじゃないですか!!
うちのポケは体重36g後半(産卵中は38gあった)です。
で、1日3~3・5グラムのペレットを食べていた。
それしか食べてないのに、そこから卵ができるってことですよね?
そんなん、自分に回す栄養なくなっちゃうじゃん、と思いませんか?
それを1日おきに7個だと! 半月近くその状態が続くってこと? 栄養失調になっちゃうじゃん。
1個で終わる個体もいるとは聞きます。うちもフタを開けたらまさにそのパターンでした。
でも、最初はそんなの、わからない。特に初産は24時間置きスパンが狂いがちとも聞く。
いつ産むのかわからないんじゃ、いつ終わるかもわからない。いつ産むのかわからないんじゃ、いつ緊急事態に陥るかもわからない。逆説的にいつも見張ってなきゃいけない気がします。
コロナ禍とはいえ、半月ほどの自宅軟禁を覚悟した一月でした。
産卵の法則3:危険。産卵が続くとやわやわの卵になることも!
知恵袋あたりで検索すると、極端な例も目にするわけです。
「10個産んでもまだ止まらない」とか。「4個産んで終わったと思ったら翌月再び産卵した!」とか。
ほら見たことか。
産卵過多の末の病気も怖いですが、まず気をつけるべきは、ふにゃふにゃの殻。
卵の殻に十分な強度がないと産卵に危険がともないます。
体内で割れて(崩れる?)しまったり、すこんと産むことがままならない。卵が形成できないと、卵づまりの危険が増します。
うまいこと産めたとしても、次の産卵はさらに危険がともなう。
今ある卵の殻が「硬くないぞ、ヤワヤワだぞ」という方は特に注意して見守りましょう。いや、見守る前に病院に行きましょう。
産卵の法則4:産卵中はフンが出てるか、こまめにチェックを!
とにかく、卵づまりってとてつもない恐怖現象なわけですよ。で、実際にはどういう症状になるのか。
1日おきに産むはずが、2日経っても産む様子がない。それでも元気があるならよいですが、そうでないなら卵づまりの可能性もある。
フンをしてるかどうかのチェックもこまめにしましょう。2、3時間経っても敷紙がぜんぜん汚れない、フンなしクリーン、オシッコしかしない!とかまずないですから。
ポイントは異様に小さいです。
その辺、普段から観察してないとわかりづらいかもしれませんが。
産卵前ってインコのフンって大きくなるでしょう。うちのインコだけかもしれませんが、産卵した前後2、3日はためフンに比較して小さくなったんです(つまり、正常)。
一瞬、卵づまりか!とビビったわけですが、食欲もあったし、元気でもあったんですね。
インコの急病のなかでも一刻を争う病状です。
ほかの病気を併発することもある。尿酸が出なくて腎不全になることもある。今日の産卵が首尾よくいっても、24時間後の次の産卵で急につまることだってあるかもしれん。考えただけで不安でいっぱい。
何か予防としてできることはないのか。
産卵の法則5:カルシウムで卵づまりを予防する
シードの場合は必須!小鳥用のボレー粉とか。
液体のカルビタバードとか。
カルビタバード 小鳥用液体カルシウム
うちはペレットでしたが、飼い主の精神安定のためにカルビタバードを購入しました。仮に何個も何個も産むような事態になったら栄養過多もなんのその、与えてしまおうかと。
産卵の法則6:ペレットで産中の栄養補給したいならハイポテンシーを!
だったらと、ペレット食代表として病院に電話して聞いてみたわけですよ。
以上、おわり。
ってことでした。そもそも総合栄養食ですから。
その時すでに、液体のカルピタバードを購入してましたが、結局、封も開けずに今もある。まぁ、あったら安心、救急箱みたいなもので。
ちなみに、うちのインコはこの時、ハリソンバードの「アダルトライフタイム」を主食にしていましたが、調べてみると産卵中は「ハイポテンシー」の方が良いみたい。
タンパク質量が多いやつ。
ハイポテンシースーパーファイン (HIGH POTENCY SUPER FINE)
こうやって商品名出されても使ってない人には何が何やらってところでしょうが、ハリソンバードはペレットのメーカー名です。
オーガニックペレットの有名どころ、小鳥病院御用達みたいなメーカーです。
で、ハリソンバードの中にもいくつか種類があるわけですが、高たんぱく・高栄養価なのが「ハイポテンシー」です。幼鳥とか病鳥とかペレット切り替え始めとか、産卵などの繁殖時用とされるのかな。
うちはたまたま切り替え途中で新鮮なものが残っていたので、急きょ「アダルトライフタイム」(通常用)から「ハイポテンシー」に変更しました。
ただ、成鳥の1羽飼いであれば、わざわざ新規購入ってほどでもないかもしれません。450gくらい入ってるけど、オーガニックなので2か月以内に消費しなきゃならない。食べきれんわ。
産卵の法則7:卵づまり対策は何より保温!産卵産後はまず保温!
法則の7番目は多分、一番大切なこと。産卵前もしくは産卵中は保温です。病院でも推奨されました。
なかには元気いっぱいなままバンバン産む子もいるかもしれませんが、産卵中は体調を崩しやすい。以下に書きましたが、うちのポケの場合も産む直前はどうにも元気がなかったし。
そもそも寒がり、もともと冬場での産卵とあって40wの保温電球はつけていたのですが、この時、20wを追加した。カゴ内温度は30度以上。もちろん、サーモスタット付きですが。
(※通常は電球をアルミで覆ったうえで、透明カバーをかけています。)
うちのインコが、ころん!すこん!とガチャのごとく、あっさり産んだのはしっかり保温していたからかもしれません。
産卵後は体力消耗してるので、そのまま温めていた。産卵直後も元気いっぱい跳ね回るほどの活力があったのは暖かい環境だったからからも。
まぁ、温度は膨らんでいないなら30度もなくてもいいかもしれません。
保温電球使うなら30分から1時間はこまめに鳥さんを観察し、膨らみは取れたか、逆にワキワキしてないか、くちばしパクパクさせてないか(暑すぎる)をチェックしましょう。
お医者さんに処置してもらうのが絶対安全ですが、どうしてもすぐに病院に行けない時がある。そんな時はとにかく保温!に限ります。
弱った小鳥も暖まると体力を取り戻します。いきんでなかなか出なかったところ、自力で産めるようになることもあるらしい。
というか、産卵時に「もうぐったり」「フンしてない」「いきんで臥せっている」みたいな状況になってしまったら、素人ができることは保温においてない。
民間療法で昔、いわれていたようですね。
でも、ダメ!ゼッタイ!
最悪の場合、卵が体内で割れてしまうかもしれません。見よう見まねはやめましょう。
元気がなかったらとにかく保温してください!
保温電球がなければ、こたつにカゴ半分入れるとか(空気の抜け道を作りたいから全部は入れない)、段ボールに入れるとか、あったまろんとかカイロを貼るとか、ペットボトルにお湯入れて毛布でくるむとか!!
とにかく保温が大事です。
朝になったらすぐに病院ね!
産卵の法則8:緊急病院リスト作成で飼い主の心の安心
うちは一個目安産ではあったけれど、2個目、3個目も安産とは限らない。念には念を入れて、準備していたこと。
過去に見てもらったことのある病院に電話し「卵づまりになった場合、即日で対応してもらえるか?」と聞いた。
小鳥の病院は診療時間が短いところも多い。休みも多い。なので、複数病院に電話しました。
基本、行ったことのある病院(過去1年、2年以内くらいかなぁ)は診療時間内なら即日対応してくれそう。
ただし、「行ったことのない」かつ「小鳥専門病院」に電話したところ、「予約でいっぱいなので初診の場合は当日は難しいかもしれません」と断られた。
いかんともしがたい。
でも、理解はできる。小鳥の病院は多くが予約制です。「かかりつけ医」であっても当日は難しいことが多いんです。緊急の場合はその限りではないのですが。
なので、専門病院は1つと言わず、2か所くらい顔利きを作っておいた方がよいです。あらかじめ、ね。
体調が本格的に悪くなってからではなく、ちょっと様子見くらいで1回かかっておくのでも後の対応がぜんぜん違います。(うちは電車通いなんで、ほんというと面倒なんですけどね……)
これまで病院にかかったことがないなら、なおのこと、病院への相談は事前にしておいた方がいいです。今、元気でも、です。
・現在、産卵中であること
・どういう状況になったら病院にかかるべきか
・もし、卵づまりになったらすぐ診てもらえるか
・(そもそも鳥専門病院でない場合)卵づまりは診てもらえるか
以上を電話して聞いてみましょう。
なお、自分が調べたところ、「小鳥も診れる」動物病院(要は専門医以外)は予約制でないところが多いです。なので、当日診療もOKでしょう。
ただ、卵づまりの症例に慣れてない可能性も高い。ここでも、あらかじめ聞いておくのはもっと大事(というか、飼い主が安心できます)。
あとは「そのう検査」をやっているかも確認しておくといいかもしれません(※鳥を診れる一つの指針になる)。
自分は過去に通ったことのある専門病院だけでなく、鳥も診れる近隣の動物病院にも電話しておきました。というのも、距離的にぜんぜん近かったのでね。タクシーで10分、15分もあれば行けそうなところも。
1時間かかる専門病院より、10分で行ける動物病院のが優先されることもある。
もしも、もしも、もしも……の時のため、月から日・祝、夜までいつ何時卵づまってもいいように(いやよくないけど)リストを作っておいたわけです。
(※調べたら、関東圏には夜間にいつでも訪問してくれるドクターもいた。ただ、軽く5万くらいいきそうなのでうーんうーん)
そうですね。
小鳥の病院のない地域だとリストを作るまでもないかもしれませんが、何かある前に、お近くの動物病院に相談しておくのは気持ち的に助かるかと思います。
「なんかかけづらいよな……」という気持ちが先行したものの、結論からいうと、どの病院も親身に相談に乗ってくれました。どのタイミングで病院行くべきかも教えてもらえましたし。
体験談:卵づまりを疑って、病院に行ってみた
もちろん悪化する前に行きたい。
とはいえ、病院に行く、そのことにびっくりして産卵が滞ってしまったらどうしようとか。
そのまま家にいたら、割合あっけなく産んだかもしれないものを、冬の寒いさなか(1月だったのです)の移動のせいで悪くしたらどうしようとか。
ちなみに、うちは病院に一度行きました。
月曜夜に一個目産んで、火曜、水曜、木曜となにもなし。
元気は元気だったのですが、教科書通りでいえば、すでに2個目、3個目を産んでいてもおかしくない。
相変わらず、お尻の周りの地肌が見えるし(産卵のため、肛門が開いていた!)
相変わらず、しゃちほこったりしてる。その上、なんか太った気もする。お腹触ったら硬いものに触れた気がする。
インコの活発さ加減から緊急性は低いとみたものの。
病院に相談したら
卵だと思ったものは恥骨だった(恥)!
で、その日、診てもらった結論。
あれれ、お腹触ったら、硬いものに触れた気がしたんですけど……。
……。
そうだったのか。
ただ、これで今回の産卵は終わったんですか?と聞くも、それはわかりませんと。
発情してたら、また、産んじゃいますよ、とすげなく言われました。
そこで聞いたわけです。
どうすれば産卵を止められますかね??
ストレス与えて発情抑制するくらいしかないんですかね??
発情中の個体は「今の体重-5グラム」で抑制できると他の記事でも読んだな。
ちなみに、ポケはその頃、日中の体重が37g後半。ダイエットは確かに最初に電話した時もアドバイスされました。
「産卵中にダイエットなんかしていいのか?」「カルシウム不足になるんじゃないか?」と混乱しましたが、この病院は産卵中でも(繁殖目的でないなら)体重抑制した方がいい派。
(※おそらく諸説あるので、一応、派としましたが)
先生はいいます。
それには経験上、同意しかなく。
室内でカゴ移動しまくり、寒いところに置いて風邪をひかせたなんてのは目も当てられない。もちろん、エサだって過度に減らし過ぎたら体調を崩しますが、朝晩の体重測定しつつなら度も越しにくい。
体重を抑制すれば「こんなことしてる場合じゃない。自分のエネルギーがたらんくなる」とばかり、発情は止まり、産卵も止まるって公式らしいです。
というわけで、診察の後、看護師さんに「じゃあ、すぐにでもダイエットに励んでくださいね!!」とエールを送られ、病院を後にしたのでした。
まとめ:産卵中にあると便利なものベスト5
さて、うちのインコは1月に1個だけ産んで、2月に換羽に入りました(季節的におかしいですが、発情期→換羽期のサイクルだけは合っているという……)。
換羽になると発情は落ち着くので一旦小休止ってところですが、今回の振り返り、あると便利な産卵期用のグッズを以下にまとめておきます。
その1、カルシウム剤
その2、ハリソンバードのハイポテンシー
ペレット食の場合はカルシウムは必要ありませんが、高タンパクのハイエネルギータイプがあるとより、気分的に助かります。
その3、偽卵
本物の卵は追いかけて割ってしまったり、食べちゃったり、そうでなくとも衛生的に不安が残る。
じゃあ、カゴから取っちゃいましょうってことですが、それはバレるらしい(諸説ある)。鳥は自分の産む個数を体感しているとも聞きます。
なので、産んだ個数が足らないと「あれれれれ?もっと産まなきゃ」となるらしい。
そんな可哀そうなことにならないよう、個数分、さっとすり替えましょう。
取った卵をどうするか。なかには食べた!という人もいるらしいですが、想像したくないな。産み落とされたことに感謝して普通に捨てましょう。ちなみに、うちは鉢植えに植えました。
その4、保温電球
これは産卵に限らず、体調不良全般に利きますが。
若鳥の場合、冬でも保温は必要のないことが多いので「保温電球?」ってな感じかもしれませんが(うちも先代が病気になるまで持っていませんでした)。
電球代+電球カバー+場合によってはサーモスタット(自動で温度調節してくれるやつ)となると結構な出費になりますが、鳥飼いなら必須アイテムともいえます。少々の体調不良は保温で乗り越えられます。
その5、体重計(キッチンスケール)
エサの量、特に増やしてないのに「最近、体重増えた?」って時は発情かもしれない。
最近どころか、「今日、突然、体重増えた?」って時は卵かもしれない。
なので、キッチンスケールで体重をこまめに測っておくと、産卵中の指針になります。
1000円台で購入できるので保温グッズよりは買いやすいかな。でも、どちらも産卵はもちろん、長生きインコのために「あると便利」というより、まさにあった方がよいグッズです。