1歳8ヶ月のセキセイインコ♀が多尿になりました。
ある年の11月ごろ。病院には二度も行って尿検査したり、ペレットを変えたり、水分量を調節したり。
良くなってきたかと思えば、その次の日に敷紙ビショビショになっていたり。
なんかもう、この子はもう、おそらく一生このままなのねとあきらめ始めた数ヶ月後、換羽をきっかけにインコの多尿が落ち着いてきた。
その間の試行錯誤と病院の先生からのアドバイス、病的な多尿との見分け方、多尿を改善する方法などを覚え書きとして以下に。
注意!インコのフンや尿写真がいくつか登場します!
ポケの多尿がひどかった時、「ほかのインコの多尿を見たいな」と切に思ったことから載せております。ご了承ください。
Contents
インコの場合、下痢ではなくほぼ多尿です
まずは多尿こと始め。
11月のある日、「今日のフン、水分量多くない?」ってことがあった。
フンの写真行きます。
これまでも放鳥するやいなやセミのオシッコみたいな粗相をすることはあった。
そんなインコを飼ったことはなかったので「あれれ?」くらいには思っていた。鳥は基本的にオシッコしませんからね。
ただ、病院の先生いわく、たまにするくらいなら心配はないらしい。
が、この時は終日多尿気味だった。
ちなみに、多尿便と下痢便は勘違いされやすいですが、インコの下痢はこれまたほとんどないそうです。
まったくない!というのがポイントです。フンの形が全然残っていないのが下痢。
さて、ポケのフン。
全てのフンが水分過多便。尿だけ?みたいなにじみもちらほらありました。その後観察していても1日のフンのうち、8割、9割が水分過多便です。
今思うと「敷紙ビッショビッショ」にならない分、まだ可愛いやんけ!と思うわけ(やがてそうなります……)ですが、初めてのことに、この時はひとしきりビビったわけです。
心配性な飼い主は数日して病院に連れて行きました。
多尿なのにそこまで水を飲んでいる様子はない。よく食べよく鳴き、元気いっぱいだったんですけどね。
多尿で病院にかかる場合は尿を持参する
ちなみに、病院にはインコの尿サンプルを複数持参しました。
病院を予約した時に「尿検査をするので持ってきてください」と言われたので。
一体どうやって?って感じですが、うちの場合は敷紙の上にクリアファイルを置いた。要は尿を敷き紙に染み込ませないようにするためです。
クリアファイルの上でインコが水分過多便をしたら、その部分を切って、上にサランラップをかぶせフタをした。簡易プレパラートっぽいイメージでしょうか。多尿ざんまいだったので5〜6個持って行ったかな。
浸水防止みたいになっているやつですね。
フンや尿の状態がわかりやすいので健康チェックには優れもののグッズです。
尿検査で尿糖が出たって!?
さて、病院で触診をして糞便検査と尿検査をしました。多尿といっても毎回敷き紙びしゃびしゃではなく、フンににじむ程度なら生理的な多尿である場合の方が多いそうです。
尿糖!?
それって出てちゃいけないものなんじゃないんですか?
病院の先生に聞いた!ペレットか発情か。多尿の原因は?
うちではこの時、レントゲン検査もやりました。先生の対応の感じから大事ではなさそうだなというのは伝わってきたのですが、まぁ、心配性なもので。
レントゲンの結果、肝臓などの肥大もなし。病的なものではないだろうとのこと。
発情期は腹部が大きくなりがちですが、ポケの場合、そうでもないということ。とはいえ、この時点でシャチホコになったりの発情ポーズは時々とっていましたが……。
病気でないことにほっとしましたが、納得のいく答えは得られませんでした。そもそも多尿は病気以外のパターンの方が多いのです。
・発情期
・換羽期
・産卵中
・興奮状態にある(遊べて嬉しい、または威嚇してる時など)
・カゴの中が暑い→水飲む→多尿
・なんとなくヒマ(口が寂しくて水を飲む→多尿)
・同様に、水飲むサイクルがクセになっている
・ペレット食(シードより喉が乾きやすいから)
・糖尿病や腎臓などの病気
要するに、お医者さんでも原因を特定するのは難しいらしいということ。この時は「あまり気にしないでください」的なことを言われ、帰宅しました。
「尿糖+」が心配で自宅で尿検査を実施
しかし、家帰って調べたら、横浜小鳥の病院の先生のこんな記述を発見。
(尿検査の際)尿糖は検出されないのが正常です。尿糖が±以上検出された場合は、高血糖または尿細管再吸収不全が考えられるため、血糖値の測定を行い鑑別すべきです。糖が出ないことが普通です。
~~尿検査(ファーストステップ)
数値的に問題のあるものではないとかかりつけ医は言ったのですが、心配になった私は家で尿検査までしました。人間用の尿検査用紙でできるみたい。
尿糖は出ませんでした。お家での尿検査のやり方はまた別途、記事書きます。
水分過多便どころか、敷紙がビショビショに!
とはいえど。
病院にも行って特になんともなかった。1週間も経てば落ち着くのではないかと思っていたところ、全然治らない。時に敷紙がビショビショなんてことにも。
飲水量はそこまで多くはなかったのに、一回で8口くらいガブガブガブガブ飲んでる日も出現した!
多飲じゃないのに多尿になるインコ、医者に尋ねたその理由は?
続きに行く前に補足説明します。
インコの多尿は「ガブガブ水飲んでるから多尿」という場合の方が多い。ですが、うちのインコのように「そこまで飲んでないのに多尿」というケースもあると思います。
セキセイインコが1日に摂る水分は10ml以内と言われています。教科書的にはね。10mlはかなり多いですよ。
小サイズの小鳥の水入れに麦茶10mlを入れると、こんな感じ。
多尿シーズンに入ってからは朝と晩、5mlと決めてお水をあげていました。けれど、そこまで減った様子はない。
少なくとも当初は「多尿ではなかった以前」と比べ、飲水量が大きく変わったようすはなかった。飲んでないのに多尿になる、この意味が解せなかった。
で、のちに掛かった別のお医者さんにも聞いてみたわけです。
多飲というわけでもないのに、多尿になることはありますか?と。
インコなんて砂漠の地域にも住んでいたわけだから。鳥の身体というのは良くできていて体内に水を蓄積できてるわけ。多飲でないのに多尿というのも十分ありうる。
素人の理解なので医学的に正しくはないかもしれませんが、大体こんなニュアンスの話でした。
人間でもそんなに水飲んでないのにトイレ近いってこともありますからね。多尿=多飲とは必ずしもいえないようで。
多尿どころではない、多飲になってきたうちのインコ
話を戻します。
11月に多尿が目立ち、12月になっても収まらずむしろひどくなっていった。
フン、行きますよ。
多尿どころか尿しかないじゃん!みたいな状態も時折。
また行きますよ。
以前はフンの周りに水がほんの少しにじむ程度だったのが、お水でもこぼしたかのようなこのありさま。あ、コピーの裏紙使ってます。
この頃から明らかに飲用量も増えてきました。
多い時は1日10ml強。
というか、単に制限しているから10mlなのであってしなかったらどうなるのか?
夜変えた水が次の朝になると干上がっている!
朝7時に変えた水が正午にはなくなっている!
もしや冬の保温の関係?と思いたかったけれど、こうなると自分を騙せない。5時間程度で水が干上がるようなカゴ内温度ではない。
多尿だけなら生理的な問題説濃厚ですが、多飲(=喉が乾く)となると糖尿病はじめ肝機能や腎機能の問題が浮上しそう。先代インコが肝臓を悪くした時はやたらと水を飲みたがったし(短期間だったからか多尿にはなりませんでしたが)。
病院で大丈夫だと言われたけどまたしても懸念がもたげてくる。
インコの多尿、バードベネバックで少しマシに
この前後、インコの多尿をリサーチしまくり、試してみたこと2つばかり。
ペレットは多飲の原因になることもある。シードよりも食感がそもそしてるからか喉が渇く。あるいは、硬いからか?お水でふやかして食べる嗜好のインコもいると聞く。
うちは当初多飲ではなかったものの。
キラピピからハリソンバードのペレットに変えてみると若干多尿が改善された。9割がた多尿だったのが6割くらいになる感じ。
ちなみに、現在キラピピをたまに食べていますが、べつだん多尿になることはありません。
時期とか慣れみたいなのもあるかと思う。ただ、この時はキラピピに戻すとまた多尿が増える!みたいなことがあったので、一時的な対処としては良かったと思います。
さらに、即効性があったのは
乳酸菌はそれまで「大好きん」をあげていましたが「バードベネバック」が多尿に良い!と何かで読んだんですね。で、購入してみた。
食いつきのメチャクチャ良かった「大好きん」に比べ、インコ自身はあまり好きではなかったようですが、何しろ1回量がごくわずかなんでエサと一緒に食べていた。
そうして、これを食べた直後は健康なフンでした。
ヤッタネ!
ただし、問題(?)として、これ毎日与えるものじゃないらしいのです。
基本は週に1回。但し書きによると「環境の変化がある場合は、それが起こる3日前と3日後に1回ずつ与えなさい」みたいな感じ。
週に一度では週に一回しか多尿を防げないわけですよ。しかも、もって半日くらいだし。うちでは週に一回量をさらにさらに少なくして週に3回くらいはあげていましたが。
ちなみに「ちょっとしかあげない粉」なのに、量はものすごく多いです。
並びが微妙ですが、ミニサイズの「大好きん」とヒト愛用の整腸剤を並べてみたところ。
バードベネバックはセキセイインコ10羽くらい飼ってても使い切れない量なんじゃないかと思います。それでも、良い商品なので多尿が収まってきた今もたまに与えてはいますが。
(産卵と換羽)インコの多尿が突然収まった日
ハリソンバードとバードベネバックで多少はマシになりました。けれど、水分過多便ゼロの日というのはめったにない。
そこが生理的な多尿ゆえ、もっといえば、発情多尿ゆえという気がする。
そんなうちのインコでも、多尿が1日中ゼロだった日が二度ほどありました。
その1:産卵後
その2:換羽前後
そうなのです。
だからこそ敢えてあげました。
前述しましたが、産卵中や換羽中に多尿になるインコは少なくない。
しかし、うちのインコはどういうわけかその時期、尿をほとんどしなくなった。
普通のインコのフンなのです。周囲に水分が滲んだりしない、緑のコンマみたいなフンに戻っていたわけです。
やはり、発情が多尿に大きく関係していたゆえか?
産卵ってつまり発情のピークですが、卵を生むことでそのエネルギーが一瞬枯れたんじゃないかと想像しています。
一方の換羽は発情と対をなすものです。
生物学的には発情の後にくるものであって、換羽中に発情はしない(たまに両方いっぺんにきてしまう子もいるようですが)。
教科書通りではないですが、こういうこともあるということで。
お医者さんに聞いた病的な多尿と生理的な多尿の見分け方とは?
多尿が治った時が2度あったといいましたが、「産卵期(1個しか産まなかった)」の数日後、再び多尿に戻ってしまいました。
シャチホコらないように気をつけて見ていたものの、インコの発情抑制というもの世界一難しくヘンナポーズでたまに固まっていたりして……。
なお、初めての産卵でした。卵づまりを心配し、急遽かかりつけ医でない、近所のお医者さんにかかりました。
結局、卵づまりではなかったわけですが、この時、多飲多尿についても聞いてみた。
私は水入れに朝晩「5mlずつ」しか水を入れていなかったわけですが、そもそも病的に「水が飲みたくて仕方ない」場合は途端に具合が悪くなるだろうと。
もちろん、病的なものでインコの具合が悪くなってしまったら恐ろしすぎるので、試す際は本当に観察を怠らずってことになるのでしょうが。
ちなみに、豪徳寺のリトルバードによる「排泄物の観察と検査」は参考になりますよ。
換羽後、多飲多尿は落ち着きました
さて、産卵の後、再び多尿になってしまったうちのインコですが、その後の換羽あたりから「普通のフン」に戻りつつあります。
といっても、多尿体質はやはり変わらないのか、全フン中の2割くらいは多尿めな気がする。フンの周りにじわっと水分がにじんでいることもある。
しかし、9〜10割多尿だった頃を思えば「そういう体質なんだね」と思えるようになってきたというか。
たまにしてます。
ただ、一時は毎日のようにしていた上、いったんシャチホコったら触っても何しても止まらなかったわけですよ。
それが回数が減った上、シャチホコ!の「シャチ!」くらいでやめれるようになったというか。飼い主が呼びかけると点目からすぐに戻ってきてくれるようになりました。
発情抑制は常に苦労しているので、日々その健闘だったりするんですけどね。
というわけで、多尿気味になってから数ヶ月。当初はこんなに長くかかると思わなんだですが。うちの場合はやはり発情関連濃厚だった気がしています。
「ガブガブガブガブ水飲んで、ビッショビショに敷紙濡らす!」なんて場合は一応病院にかかった方が安心でしょう。
が、多尿でお悩みの飼い主さんにアドバイスをするとしたら焦らず、ゆっくりということもまた真なりという気がします。